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リスニング力の鍛え方②

2026 1/25
リスニング
2026年1月25日

――「聞けない」を「聞ける」に変える、最短の音読トレーニング――

前回の記事では、リスニングを「解いて終わり」にせず、ディクテーション→オーバーラッピングまでを1セットとして回すことが重要だと述べた。今回は、その後半である オーバーラッピングを具体的に解説する。

リスニングが苦手な生徒は、「耳が悪い」のではない。多くの場合、音(発音・リズム・つながり方)を知らないか、英語の速度に身体が慣れていないだけである。オーバーラッピングは、この2つを同時に鍛えられる。


目次

オーバーラッピングとは何か

オーバーラッピング(overlap=重なる)とは、スクリプトを見ながら、音声と同時に英文を音読する練習法である。

ポイントは「同時」である。音声の後を追いかけるのではなく、音声に重ねる。そのため、正しい発音と英語のスピードの両方に適応する必要があり、結果としてリスニング力の底上げにつながる。


シャドーイングとの違い

混同されがちなので整理する。

シャドーイング(shadowing)

音声を影のように追いかける練習で、慣れてくると スクリプトを見ずに音だけを頼りに再現する。
技術と基礎力が必要で、学習が崩れると「なんとなく追いかけて終わる」状態にもなりやすい。

オーバーラッピング(overlapping)

必ずスクリプトを見ながら音声に重ねる。発音・イントネーション・強弱を“正解の形”で体に入れられるため、受験・検定のリスニング対策としては導入しやすい。

GUN English Labでは、中高生のリスニング対策としては、まず オーバーラッピングを標準ルートにしている。シャドーイングは「必要になったときに追加する」で十分である。


オーバーラッピングのやり方(5ステップ)

複雑な技術ではない。基本方針は一つである。

「ものまねだと思って、音もリズムも声の勢いも寄せる」

この前提で、次の順序で進めると失敗しにくい。

1) 精読(内容を理解する)

まずスクリプトを読み、意味が取れる状態にする。
内容理解が曖昧なまま重ね読みすると、発音練習が雑になり、効果が半減する。

2) 弱点の特定(聞けなかった場所を確認)

前回のディクテーションや復習で、どこが聞けなかったかを把握しておく。
「どこを直す練習か」を明確にするためである。

3) スクリプトを見て重ねる(ここが本体)

オーバーラッピングは スクリプト必須である。
目で正解を確認しながら、音声と同時に読んでいく。

4) 発音を修正する

自分の発音が音源とズレている箇所は、止めて直す。
「通してやる」より「直してから進む」の方が上達が速い。

5) 追いつけない部分は分解して反復する

どうしても追いつけない文は、いったん音声を止めて反復する。
必要なら先に リピーティング(聞いて→後で復唱) を挟んでから、オーバーラッピングに戻すとよい。


オーバーラッピングで伸びる力(“一石六鳥”)

オーバーラッピングは音読の一種だが、狙える効果が多い。

1) 発音が整う

音の変化(リンキング/リダクション等)に意識を向けることで、カタカナ発音との差を修正できる。
「知識として知っている発音」と「実際の音声」が一致し始める。

2) リスニングが上がる

正しく発音できる音は、聞こえやすくなる。
最初はナチュラルスピードに苦戦するが、練習で追いつけるようになる。
可能なら速度調整アプリで、あえて 1.2倍→1.0倍 の順に試すのも有効である(1.0倍がゆっくりに感じられる)。

3) 語彙・文法が定着する

同じ英文を繰り返し読むことで、語彙・文法・構造が「使える形」で残る。
そのためにも、最初の精読が重要になる。

4) 速読力が伸びる

同じ文章を反復すると、英文構造への処理が速くなる。
さらに「英語の語順で理解する」意識を持つと効果が大きい。

例:
The boy who is playing tennis with Tom over there is my friend’s brother.
この文を読むとき、日本語の語順へ戻すのではなく、
「その少年は/テニスをしていて/トムと/向こうで/(そして)友達の弟だ」
というように、英語の流れのまま理解していく練習にする。

5) 英文解釈が安定する

どこがどこにかかっているかを意識しながら読むため、修飾関係や節構造が崩れにくくなる。結果として読解が安定する。

6) 会話の反応速度にも効く

英会話で「返そうと思った頃には次の話題に行っていた」という経験は多い。
語順処理が速くなると、反応のタイミングも改善しやすい。


忙しい人向け:最小構成でも十分

中高生は忙しい。だからこそ、量ではなく設計で勝つ。

  • 1回10分×週3回 でも十分効果が出る
  • まとまった時間が取れない日は、短く区切ってもよい

「やるか、やらないか」の差がそのまま得点差になる学習法である。

※歩きながらの実施は可能だが、周囲への配慮と安全が最優先である。音読は場所を選ぶこと。


まとめ:行動すれば、聞こえ方が変わる

オーバーラッピングは、多くの指導者が勧める理由がある。
発音とスピードの両方を同時に鍛えられ、結果としてリスニングが伸びるからである。

まずは短時間でよい。実行して、音源を聞き直してほしい。
「前よりクリアに聞こえる」体験が起きたら、それが正しい方向に進んでいる合図である。

質問や相談がある場合は、サイトのお問い合わせフォーム(またはLINE等)から連絡してほしい。GUN English Labでは、現状を確認し、最適な練習手順に落とし込むところまで支援する。


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